性格の悪い日記及びトルネコ3ポポロ異世界並びにシレン。
一応、税理士試験の挑戦記も
【レビュー】 ルーンの子供たち DEMONIC 3
大一幕 ANOTHER <トミソン>
題名の通り、今回はジョシュアのファンになったトミソンのお話です。
実は前回のお話の最後、トミソン君はジョシュアのことを嫌う先輩に目をつけられてしまいました。まあジョシュアはいじめられっ子みたいなものですから、そういう人の味方であるというだけでとばっちりを食らうというのはどこの世の中でも同じです。ひどい話ですね。
トミソンは意地悪な先輩とチェスの勝負をすることになりました。この勝負には、もしトミソンが負けたら今後一切ジョシュアの歌に関して口にしないという条件がつけられていました。トミソンくんにとって有利な条件は何一つないのに、こんな勝負をさせられるなんて、パワハラ以外のなにものでもありません。しかも相手はチェスのプロとして有名な先輩でした。
チェスの基本的な動きすら出来ていないトミソンを弄ぶ先輩。彼は貴族であるジョシュアをののしっています。いま彼らのいる都市ケルティカでは共和革命が起こっているので、彼らにとってはジョシュアのような貴族は本来処罰の対象なのです。未だにアルニム家が無事なのは、公爵が王政時代に築いてきた市民からの信頼故でした。共和制の中でのうのうと生きている貴族のジョシュアはそういう意味でも先輩に嫌われていました。先輩は共和派の中でもより過激なグループに属していましたから。
そんなわけでチェスでトミソンがぼこぼこにされている中、ついにジョシュアが登場します。彼はトミソンに味方するといい、彼に代わって先輩と対峙しました。とはいえ仕切り直しではなくトミソンの盤面をそのま引き継ぐため、ジョシュアは初めから圧倒的に不利でした。しかしそんな中でもジョシュアは淡々と毒を吐きます。
先輩「敬語つかえ」
ジョシュ「僕の存在自体が悪だとほざいている奴に大して礼儀を守る必要などあるのか」
ジョシュアの態度は毅然としていて、読者としては非常に爽快でした。10歳近く年上の先輩相手に臆しもしないのはさすがです。
しばらく二人はチェスを指していましたが、ジョシュアは突然試合終了を宣言して立ち去ってしまいました。先輩は何のことか分からず、しばらくの間チェス盤を見つめていましたが、やがて自分が詰んでいたということに気づくと、あまりの屈辱に耐えきれなくなり、血走った目でチェス盤の駒を振り払いました。
床に落ちた駒が乾いた音を立てます。
「呪われた……デモニック……」
チェスのプロである先輩だからこその台詞でしょう。ジョシュアは大してチェスなどしないくせに、その圧倒的な才能で、先輩を倒しました。一体何手先を読んでいるのでしょうか。デモニックの能力は無限なのでしょうか。
ここまできて初めてジョシュアが皆に恐れられる一面を垣間見ることが出来ました。
また、この章では彼の父であるアルニム公爵がジョシュアの通う学院の学長と会談をしていました。そこでアルニムは、ジョシュアには普通の子供として育って欲しいと、本音を漏らします。デモニックは比肩しうる者なき天才ですが、デモニックとして生まれた者は皆夭折する傾向にあったようです。アルニム家の跡取りとなるジョシュアが早死にしては公爵としても困るのでしょう。
そんなわけで、この章も終わりです。一章一章に読者を引きつける魅力があふれている、良い作品です。続きが楽しみ。
大一幕 ANOTHER <トミソン>
題名の通り、今回はジョシュアのファンになったトミソンのお話です。
実は前回のお話の最後、トミソン君はジョシュアのことを嫌う先輩に目をつけられてしまいました。まあジョシュアはいじめられっ子みたいなものですから、そういう人の味方であるというだけでとばっちりを食らうというのはどこの世の中でも同じです。ひどい話ですね。
トミソンは意地悪な先輩とチェスの勝負をすることになりました。この勝負には、もしトミソンが負けたら今後一切ジョシュアの歌に関して口にしないという条件がつけられていました。トミソンくんにとって有利な条件は何一つないのに、こんな勝負をさせられるなんて、パワハラ以外のなにものでもありません。しかも相手はチェスのプロとして有名な先輩でした。
チェスの基本的な動きすら出来ていないトミソンを弄ぶ先輩。彼は貴族であるジョシュアをののしっています。いま彼らのいる都市ケルティカでは共和革命が起こっているので、彼らにとってはジョシュアのような貴族は本来処罰の対象なのです。未だにアルニム家が無事なのは、公爵が王政時代に築いてきた市民からの信頼故でした。共和制の中でのうのうと生きている貴族のジョシュアはそういう意味でも先輩に嫌われていました。先輩は共和派の中でもより過激なグループに属していましたから。
そんなわけでチェスでトミソンがぼこぼこにされている中、ついにジョシュアが登場します。彼はトミソンに味方するといい、彼に代わって先輩と対峙しました。とはいえ仕切り直しではなくトミソンの盤面をそのま引き継ぐため、ジョシュアは初めから圧倒的に不利でした。しかしそんな中でもジョシュアは淡々と毒を吐きます。
先輩「敬語つかえ」
ジョシュ「僕の存在自体が悪だとほざいている奴に大して礼儀を守る必要などあるのか」
ジョシュアの態度は毅然としていて、読者としては非常に爽快でした。10歳近く年上の先輩相手に臆しもしないのはさすがです。
しばらく二人はチェスを指していましたが、ジョシュアは突然試合終了を宣言して立ち去ってしまいました。先輩は何のことか分からず、しばらくの間チェス盤を見つめていましたが、やがて自分が詰んでいたということに気づくと、あまりの屈辱に耐えきれなくなり、血走った目でチェス盤の駒を振り払いました。
床に落ちた駒が乾いた音を立てます。
「呪われた……デモニック……」
チェスのプロである先輩だからこその台詞でしょう。ジョシュアは大してチェスなどしないくせに、その圧倒的な才能で、先輩を倒しました。一体何手先を読んでいるのでしょうか。デモニックの能力は無限なのでしょうか。
ここまできて初めてジョシュアが皆に恐れられる一面を垣間見ることが出来ました。
また、この章では彼の父であるアルニム公爵がジョシュアの通う学院の学長と会談をしていました。そこでアルニムは、ジョシュアには普通の子供として育って欲しいと、本音を漏らします。デモニックは比肩しうる者なき天才ですが、デモニックとして生まれた者は皆夭折する傾向にあったようです。アルニム家の跡取りとなるジョシュアが早死にしては公爵としても困るのでしょう。
そんなわけで、この章も終わりです。一章一章に読者を引きつける魅力があふれている、良い作品です。続きが楽しみ。
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